2025.11.06 【気候変動】いまこそ知ろう、COPとは?ブラジルで開かれるCOP30 最新の気候変動対策 防災・気候変動 COPとは? 2025年11月10日~11月21日に、ブラジル北部、アマゾンの都市ベレン[注]で第30回目のCOPが開かれます。 COPとは、締約国会議(Conference of the Parties)の略で、一般的には気候変動について話し合う「国連気候変動枠組条約(こくれんきこうへんどうわくぐみじょうやく)」の締約国会議のことを指します。 1992年、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目標とする「国連気候変動枠組条約」が採択され、世界は地球温暖化対策に世界全体で取り組んでいくことに合意しました。この条約に基づき、1995年から毎年COPが開催され、今年で第30回目となります。2025年11月現在、198ヶ国 ・地域がこの条約を締結しています。 日本からはすべてのCOPに環境大臣が出席しています[1]。 [注]アマゾンは南米にある面積が550万㎢にもおよぶ世界最大の熱帯雨林です。地球全体の熱帯林のほぼ半分を占め、生物多様性に富んでいます。二酸化炭素(CO2)を吸い込む量が多いことから「地球の肺」とも呼ばれています。ベレンはアマゾンの玄関口とも呼ばれ、気候危機の最前線にあります。 大雨による洪水後のブラジル・サンパウロの街の様子 COPとSDGsとの関係 COPは、SDGsの達成とも関連しています。 SDG13では気候変動対策について定めていますが、その実現に向けた交渉を行うのがCOPです。 COPで世界各国が話し合って決めたことは、私たちの暮らしやこれからの地球の持続可能性にも大きく影響します。 では、COPでは具体的に何が話し合われているのでしょうか? また、日本の立場や、セーブ・ザ・チルドレンが注目しているポイント、さらに子ども・若者が参加できる機会があるのかどうかについても、一緒に見ていきましょう! SDG目標13 気候変動に具体的な対策を COPでは何が話されるの? 国連気候変動枠組み条約は、地球の平均気温を上昇させる温室効果ガスが増えすぎないようにしたり、あるいは気候変動の影響に適応していくための国際協力に関する条約です。 しかし、例えばCO2をいつまでにどのくらい削減するか、といったような具体的な義務は定められていません。 そのため、毎年開催されるCOPでは、各国のCO2削減量や、それを達成する目標年度など期限に関すること、またどのようにその目標を達成するのかという方法について議論されています。 さらに、先進国に対しては、地球温暖化を抑止する政策を実施することや、途上国に対して気候変動対策を行うための資金や技術を提供することなどが求められています。 記念すべき第30回目のCOPでは、議長国となるブラジルをはじめとして、締約国の各国が高い目標を打ち出しています。 再生可能エネルギーの拡大 メタン排出の取り締まり 森林の保護 化石燃料の段階的な廃止を加速していく など、 これからの気候変動対策の10年の土台をつくります[3]。 セーブ・ザ・チルドレンが注目しているポイント セーブ・ザ・チルドレンは子ども支援専門の国際NGOであるため、COPで話し合われることの中でも、特に「子どもの権利」が守られるルールづくりになっているかどうかに注目しています。 例えば、 政策など計画を決めるプロセスに子どもたちも参加できる仕組みになっているか? その意見が政策に反映されているか?など、 子どもたちの声が考慮されるように各国のリーダーに働きかけています。 さらに、気候変動対策のためのお金の使い方が、子どもを中心に据えた投資になるように訴えています。 例えば、バヌアツのように自分たちの国はほとんど温室効果ガスを出していなくても、大きな被害を受ける国があります。 セーブ・ザ・チルドレンは、これまで気候危機に最も多く加担してきた国や企業が、自らの行動に対して責任を取り、気候変動の影響に最も脆弱な国の子どもたちが安心して暮らせるように、被害を受けたときの損失と損害[注]に対する支援や補償を増やすことをCOP30でも強く求めています。 [注] 損失と損害は、loss and damage(ロス&ダメージ)の和訳で、近年の気候変動に関する重要なキーワードの一つです。2023年のCOP28で、特に気候変動の影響を受けやすい途上国を支援するために新たに設置された基金の制度です。この基金は、世界銀行が管理しています[4]。 子ども世代は、今の大人世代に比べて、気候変動の影響をより長く、より深刻に受けることになります。だからこそ、子どもたちだけでこの負担を背負わせないようにするために、避けられない将来のリスクに備えた取り組みや、それを実現するためのお金の準備も求められます。 そのためにも、COP30では「子どもの権利が守られること」、また「子どもの声が政策に反映されること」が重要です[5]。 サイクローンによってダメージを受けた学校の外壁を眺めるマドリーンさん(11歳)、バヌアツのシェファ州にて まとめ COPとは、「国連気候変動枠組条約」に加盟している締約国が、地球温暖化をはじめとする気候変動問題への対策について、具体的な目標や、達成期限、達成するための方法について話し合う会議のことです。 この記事では、COPとは何かということから、気候変動対策に子どもの権利の視点を取り入れることの重要性、そして子どもを守るために求められるルールづくりについて解説しました。 では実際に、これまでのCOPで子どもや若者が議論の場に参加したり、発言をする機会はあったのでしょうか? 次回は過去のCOPでの子どもの参加を振り返りながら、気候変動に対する子どもの声や願いを一緒にみていきましょう! アドボカシー部社会啓発チーム 唐 語思 [1] あすのコンパス、「外務省にユースのメッセージを届けました!Generation Hopeキャンペーン2024」、2024.12.10[2] 経済産業省資源エネルギー庁、「あらためて知りたい、「COP(コップ)」とは?いったい何を話しあっているの?」、2023.11.17[3] 国連広報センター、「各国の新たな国別気候計画、COP30に先立つハイレベルサミットで発表(UN News 記事・日本語訳)」、2025.10.08[4] 外務省、「ロス&ダメージに対応するための飢饉(FRLD)」への新たな拠出について」、令和7年3月19日[5] セーブ・ザ・チルドレン、「気候危機の中に生まれて2 報告書の概要(日本語)」、2025.05