2025.08.29 【日本の子どもの貧困】Vol.5 子どもの貧困と子どもの権利に関する意識調査 子どもの貧困 「見えにくい貧困」と、私たちにできること 「子どもの貧困」は、一緒に住んでいるおとなの収入でしか判断できなかったり、保護者・養育者が外部に相談しないと気づかれにくいため、「見えにくい」と言われています。 セーブ・ザ・チルドレンが、全国の子どもやおとなを対象に、2024年に行った調査からは、以下のことが分かりました[1]: 【1】約半数のおとなが子どもの貧困の実態について「聞いたことがない」と回答しています。 ※いまこの記事を読んでくれている皆さんにとっては、ちょっとびっくりする数字ですよね。これは2019年の時に行った調査から大幅に増えています。子どもの貧困を「聞いたことがない」と答えた子どもたちの割合は、2019年から12.7ポイント増加し、おとなの割合は20.1ポイントも増加しました。 【2】一方、子どもの約8割、大人約6割が、子どもの貧困問題は解決すべき社会問題として優先度が高いと答えています。 【3】子どもの貧困問題を解決するために必要なこととして、最も選んだ人が多かったのは、高校までの教育の無償化です。 【4】経済的に困難な状況にある当事者層は、施策としてひとり親家庭や子どものいる保護者への給付充実を高い割合で求めていました。これは、調査会社を通じて回答した層が考える施策と異なっていました。 【5】「子どもの意見表明権(自分の意見を聴かれる権利)」は、子どもとおとなで認識に大きな差がありました。この権利が大切だと考える子どもは4割以上だったのに対し、大人は3割未満でした。 調査結果について、くわしくは以下の画像をクリックして意識調査のレポートの詳細をご覧ください。 子どもの貧困と子どもの権利に関する意識調査2024 でも、今こうしてこの記事を読んでくれている皆さんのように、まず「知ろうとすること」が、大切な一歩になります。 そして、学校や地域で何かを決めるときに、「このお金は、どんな家庭の子どもでも払えるかな?」と考えてみたり、地元の議員や役所の人に、「子どものための支援をもっと増やしてほしい」と声を届けることなどが、子どもの貧困をなくすためにできることです。 一人ひとりにできることは、実はたくさんあります。 セーブ・ザ・チルドレンも、日本の子どもの貧困問題を解決するために、いろいろな活動をしています。こちらで最新の情報をチェックしてみてください。 このシリーズの全記事は以下のリンクから読むことができます。 【日本の子どもの貧困】Vol.1 子どもの貧困の現状【日本の子どもの貧困】Vol.2 なぜ子どもの貧困を放置してはいけないのか【日本の子どもの貧困】Vol.3 子どもの貧困の原因【日本の子どもの貧困】Vol.4 国や自治体による子どもの貧困対策【日本の子どもの貧困】Vol.5 子どもの貧困と子どもの権利に関する意識調査(今回の記事) この記事を書いた人:アドボカシー部インターン ハギヤユカリ [1] セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン「3万人アンケートから見る子どもの貧困に関する意識」