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2025.07.04

【学校に通えない子どもたち】Vol.3 教育が受けられないことで起こる問題とは?

教育

学校で学ぶことは、皆さんにとって当たり前のことかもしれません。でも、もしその機会がなかったとしたら、私たちの生活や将来にどんな影響があるのでしょうか?

最近は、学校以外の場所でも学ぶ機会は増えていますが、誰もが平等に受ける権利のある「学校教育」の重要性は、決して小さくありません。

今回は、教育を受けられないことで、子どもたちの未来や社会全体にどのような問題が起こるのかを一緒に考えていきましょう。

シリア北西部イドリブの避難キャンプにある学校に通う男の子たちの写真
12歳のユセフさんと11歳の弟アダムさんは、シリア北西部イドリブの避難キャンプにある学校に通うために1キロ歩かなければなりません

読み書き、計算ができない

もし、文字を読んだり書いたりすることができなかったら、どんな生活になるでしょうか?

読み書きができないと、限られた範囲でしか生活ができなくなり、病気や災害など、不測の事態の際に必要な情報を得て、自分の身を守ることも難しくなります。

また、計算ができないと、日常生活に支障をきたすだけでなく、詐欺などに遭いやすくなったり、仕事に就く機会も制限されます。

必要な知識が得られない

皆さんは、普段どうやって新しい情報を手に入れていますか?

本や新聞、インターネット、テレビなど、多くの場合文字に頼って情報や知識を得ていますよね。

読み書きができないと、例えば郵便物や掲示物などに書かれていることを理解できず、重要な情報を逃してしまう可能性が高まります。

 
さらに、現代社会ではパソコンやスマートフォンなどの情報通信技術(ICT)は不可欠です。しかし、学校で使い方を学んでいなければ、インターネットで情報を調べたり、オンラインサービスを利用したりすることも難しく、ますます取り残される 情報格差が生まれてしまいます。

進路を選べない

高校や大学はどんなところで学びたいか、将来どんな仕事に就きたいか、受験期に進路について悩んだり、普段から将来についてなんとなく想像している人も多いのではないでしょうか。

例えば、「プロスポーツ選手になりたい」、「漫画家になりたい」、「研究者になりたい」、「先生になりたい」、「自分の会社を作りたい」…いろいろな夢がありますよね。

子ども自身が、ある進路を希望していたとしても、その実現に必要な教育や訓練を受けることができなければ、スタートラインにさえ立つことができません。

社会参加が制限される

読み書きをしたり、知識を新たに得ることができないと、選挙などの機会があっても、自分の意思を表明したり、公共サービスを受けるうえで手続きができないなど、障害になることがあります。

このように、教育の機会がないと、社会の中で自分の声を上げたり、権利を主張したり、積極的に社会づくりに参加したりすることが難しくなってしまうのです。

「教育の目的」を実現できない

皆さんは、子どもの権利条約第29条でどんなことが書かれているか知っていますか?

子どもの権利条約第29条は「教育の目的」とも呼ばれ、以下のようなことが書かれています:

 

教育は、子どもが自分のもっている能力を最大限のばし、人権や平和、環境を守ることなどを学ぶためのものです[1]。

 

教育を通じて、子どもたちは自分自身にある権利や、周りの人の権利、そして平和や環境を守ることの大切さなどを学んでいきます。つまり教育は、子ども自身の身体と心を成長させていくことだけでなく、平和で持続可能な社会をつくっていくうえでも必要不可欠なのです。

子どもの権利第29条:教育によって、自分の身体と心を成長させる権利があります。教育の目的には、人権、母国や生まれ育った社会の価値観や言語、平和、友好の精神、自然環境を尊重することなどが含まれます。

まとめ

モンゴルでセーブ・ザ・チルドレンのスタッフによるアンケートに答える母親と娘
モンゴルでセーブ・ザ・チルドレンのスタッフによるアンケートに答える母親と娘

この3回のシリーズを通して、世界にはまだ多くの子どもたちが学校に通えておらず、さまざまな困難に直面していること、そして教育を受けられないことが個人の人生や社会全体に大きな影響を与えることを見てきました。

 

2030年までの国際目標であるSDGsでは、「すべての人に質の高い教育を」という目標が掲げられています。

しかし、紛争や貧困、そして近年の気候変動や頻発する自然災害などにより、この目標の達成は依然として難しい状況にあります。

 

小さなことでも、一人ひとりの意識や行動が、世界を変える大きな力になるかもしれません。

 

すべての子どもたちが、教育を通して自分の可能性を最大限に伸ばし、希望ある未来を切り拓いていけるように、この記事が皆さんと一緒に考えるきっかけとなれば幸いです。 

  

この記事を書いた人:アドボカシー部インターン ハギヤユカリ

  


この記事は、セーブ・ザ・チルドレン「学校に通えない子どもたちは世界にどのくらいいるでしょうか?その理由と問題について紹介します」のコラムを基に、最新情報を加え、子ども・ユース向けに解説したものです。

[1] 子どもの権利条約 | こどものケンリ

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