子どもたちにはどんな権利があるの?
このページでは、1989年11月20日に国連総会で採択された「子どもの権利条約」の各条文をイラストと共に紹介します。
「子どもの権利条約」の各条文は、成長・発達の過程にある子どもたちが、ひとりの「人間」として大切にされるよう、国と国との約束事として定められました。
現在、日本を含む、196の国と地域が「子どもの権利条約」を守ることを約束しています。
この条約を実現していくために、国や地域が責任を果たす必要があります。
また、子どもたちには身体と心の発達のため、親や保護者・養育者のもと、家庭的な環境で、安心・安全に成長できる環境が必要です。
そして、子どもたち自身は、子どもの権利を守ることを国や地域、周りの大人たちに求めることができます。
それぞれの条文が守られているか、みなさん自身や周りの子どもたちの生活を思い浮かべながら読んでみてください。
*「子どもの権利条約」の条文は全部で54条ありますが、43条から54条は特に、国・国際機関、その他の組織や団体に対する約束なので、ここでは説明を載せていません。
*このページでは、各条約の主語を「子ども」として説明しています。
第1条
子どもの権利条約では、18歳未満のすべての人を“子ども”とします。
第2条
人種・皮膚の色・性別・言語・宗教・障害・貧富の差・考え方・生まれた環境や場所などによって差別されない権利があります。
第3条
国やおとなから、その子どもにとって最も良いことを優先して考えてもらう権利があります。
第4条
子どもは国に子どもの権利条約を守ってもらう権利があり、国は子どもの権利を保障する義務があります。
第5条
子どもの権利を行使できるように、親などから心身の発達にあった適切な支援を受ける権利があります。
第6条
生きる権利・育つ権利、命を大切にされる権利があります。
第7条
生まれた時から、名前や国籍を持ち、できるかぎり親を知り、親に育てられる権利があります。
第8条
名前・国籍、身元がわかるものなど、自分のアイデンティティがうばわれないように、国から守られる権利があります。
第9条
虐待など子どもへの害がない限り、親と離されない権利があります。
第10条
他国に住む親や家族と連絡をとり、会える権利があります。
第11条
法に反して他国に連れて行かれず、また自分の国に戻れる権利があります。
第12条
自分に関わるすべてのことについて意見を聴かれ、その意思を大切にされる権利があります。
第13条
さまざまな方法で情報や考えを得て、自由に伝えたり表現したりする権利があります。
第14条
自分の考えや宗教などを自分で決める権利があります。
第15条
市民として社会に参加するために、グループを作り、集まる権利があります。
第16条
プライバシーが守られ、名誉や信用を傷つけられない権利があります。
第17条
さまざまな情報にアクセスでき、有害な情報からは守られ、情報を有効に活用する権利があります。
第18条
子どもは、まず親・保護者に育てられる権利があります。そのために、子どもを育てる責任がある親・保護者を国がサポートします。
第19条
親・保護者からの、身体や心を傷つけるあらゆる暴力・言葉から守られる権利があります。
第20条
子どもは、家庭的な環境で育つ権利があります。
それができない場合は、里親家庭や養子縁組、児童養護施設で暮らすなど、別の家庭的環境を得る権利があります。
それができない場合は、里親家庭や養子縁組、児童養護施設で暮らすなど、別の家庭的環境を得る権利があります。
第21条
養子縁組をする場合、その子にとって最もよいと確認された新しい環境で育てられる権利があります。
第22条
難民となって逃れている場合、特別な保護やサポートを受ける権利があります。
第23条
身体や心の障害にかかわらず、社会に参加し、教育や医療サービス、仕事などの機会を得る権利があります。
第24条
いつでも健康でいるために保健・医療サービスを受けることや、子どもの健康を害するような習慣をなくしてもらう権利があります。
第25条
施設に暮らしている場合、そこでの子どもの扱いが良いものかどうか、定期的に調べてもらう権利があります。
第26条
子どもの生活を支えていくために、社会保障などのサポートを利用する権利があります。
第27条
身体や心を成長させていけるよう、十分な水準の生活を送る権利があります。
第28条
すべての子どもは、平等にかつ無償で教育にアクセスできる権利があります。学校の規律は、子どもたちの尊厳が守られるものでなければなりません。
第29条
教育によって、自分の身体と心を成長させる権利があります。教育の目的には、人権、母国や生まれ育った社会の価値観や言語、平和、友好の精神、自然環境を尊重することなどが含まれます。
第30条
少数民族や先住民族である場合、自分たちの文化を守り、宗教を信じ、言葉を使う権利があります。
第31条
子どもには、休む権利、自由な時間を持つ権利、遊ぶ権利があり、文化的・芸術的な活動に十分に参加する権利があります。
第32条
身体や心にとって危険な仕事や、学校に通えなくなるなど教育がさまたげられるような仕事から保護される権利があります。
第33条
麻薬など違法な薬物の使用から守られ、その生産や取り引きに巻き込まれない権利があります。
第34条
不法な性行為をさせられることや、性的な写真や動画を撮られることなど、あらゆる性的暴力から守られる権利があります。
第35条
ゆうかいされず、売り買いされない権利があります。
第36条
誰からも幸せをうばわれず、子どもの成長に害を与える、あらゆる搾取や不当な扱いから守られる権利があります。
第37条
ごうもんや死刑など、身体や心を傷つける非人道的な扱いを受けず、不当に自由をうばわれない権利があります。
第38条
子どもは平和に生きる権利があります。紛争・戦争でたたかうことを強いられず、紛争・戦争にまきこまれた場合には、保護される権利があります。
第39条
あらゆる暴力の犠牲・対象となった子どもは、身体と心を回復させ、社会に復帰し、尊厳を取り戻すための支援を受ける権利があります。
第40条
法に反する行為を行った子どもは、社会に復帰できるよう、人間の尊厳についての意識が高まる形で対応される権利があります。
第41条
「子どもの権利条約」よりもっと良い法律や決まりがあれば、それを使う権利があります。
第42条
おとなだけでなく子どもも、「子どもの権利条約」を知る権利があります。