2026.10.02 インターン2名が「ポストSDG4」の策定に向けたユースコンサルテーションに参加しました! ユースコンサルテーションとは 2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は2030年を達成期限としています。しかしながら、SDGsの169あるターゲットの中で、達成のめどが立っている、またはある程度の前進が見られるものは36%にすぎないと言われています。[1] 期限までのSDGsの達成は難しいとされている中、2030年のその先のあるべき社会の姿、またその社会を実現するため、どのような取り組みが必要なのか、同時に考えていく必要があります。 2030年以降の社会や開発のあり方を見据え、SDGs以降の国際目標の策定に向けた「ポストSDGs」の議論が国内外で始まっています。その中でUNESCOは、「質の高い教育をみんなに」を目指すSDG4の後の教育目標、「ポストSDG4」の策定に向けた活動を開始し、2026年には世界各地で若者を対象とした意見交換を実施しています。 UNESCOからの要請を受け、誰もが教育を受ける権利を保障するために活動するASPBAE(アジア太平洋基礎・成人教育協会)は、アジア各国でのユースコンサルテーションの実施を呼びかけました。 これを受け、日本でも、JNNE(教育協力NGOネットワーク)を含むSDGs市民社会ネットワークの会員団体の11歳以上30歳以下の子ども・ユースメンバーを対象に、ポストSDG4のアジェンダ案の策定に向けたコンサルテーションが7月(がつ)に実施されました。 今回のコンサルテーションでは、UNESCOが設定した5つの世界共通の質問をもとに、「20年後、どのような世界・社会で暮らしていたいか」、「そのために教育や学びはどう変わるべきか」などについて意見を出し合いました。 集められた意見は取りまとめられ、8月(がつ)にUNESCOへ届けられました。 今回、このコンサルテーションに、セーブ・ザ・チルドレンのインターン(大学生)2名も参加しました。こうした国際的な教育目標をつくる過程に、日本のユースも参加しているのです。 今回のコンサルテーションで、実際にどのような意見が出されたのか、そして参加したユースは何を感じたのかを紹介します。 UNESCOからの5つの質問 UNESCOが設定した5つの質問は以下の通りです。 ①今から20年後、どのような世界や社会で暮らしていたいと思いますか?その理想の姿を教えてください。 ②先ほど描いたビジョンをふまえ、あなたや将来の世代が今よりも良い生活を送れるようになるためには、教育や学習のどのような点を変えるべきでしょうか? ③現在の教育・学習システムの中で、重要であり、かつうまく機能しているため、維持または強化すべきものは何だと思いますか? ④教育や学びをより良いものに変えるために、あなた自身、およびあなたの属するコミュニティと協力して、どのような行動に取り組みたいと思いますか? ⑤自分の行動が単に認められるだけでなく、実際に変化をもたらすものとなるためには、どのような支援が、誰から必要でしょうか? 20年後、どんな社会で暮らしたい? 当日は、まず「20年後どのような世界や社会で暮らしていたいか」について話し合いました。 今回は大学生や大学院生のユースが多く参加しており、 「すべての人がありのままで尊重される社会」 「尊厳・平和・選択肢が保障されている世界」 などさまざまな意見が共有されました。 また、出身国や家庭環境、経済状況、ジェンダー、障害、年齢などにかかわらず、一人ひとりが尊重され、学びや成長の機会を得られる社会を望む声もありました。 さらに、そうした社会を実現するために教育や学びをどのように変えていくべきか話し合いました。 特に多く挙げられたのは、受け身で学ぶのではなく、子どもが主体的に考えて行動できるような教育です。例えば、探求型学習を取り入れること、主体的な学びの機会を保障することなどが挙げられました。また、情報リテラシーやAIとの関わり方、人権や子どもの権利、主権者教育など、自分の考えを育てられる教育の重要性についても共有しました。 他者との関わり方について学ぶ教育 質問②の「現在の教育や学習のどのような点を変えるべきか」という質問には、数(かず)多くのユニークな意見が寄せられました。現在ある社会問題として、世界の紛争・貧困・人権侵害といった問題があります。歴史の教科書等で紛争や大量虐殺について学ぶ際、単に「何年に何があったのか」を学ぶだけではなく、どのような経緯があり、何が人々の感情を煽るのかなど、さまざまな角度からも学ぶことにより、これからの世界において過去の過ちを繰り返さないことにつながるのではないか、との意見も出ました。 日本国内では、いじめなどを理由に自殺に追いやられる子どもが少なくありません。どのような言葉を使用したり行動をとると相手を傷つけてしまう恐れがあるのか、いじめを行う側にはどのような背景、要因があるのかを学ぶことが現代の社会には必要であるとの意見も寄せられました。 国家間の紛争と個人間のいじめについて同時に考えることは難しい点もありますが、自分、そして他者の権利の侵害について学ぶことができる教育を取り入れることは重要だと考えます。 今回参加したユース・インターンの感想 SDGsの達成期限が2030年に迫っていますが、17の目標は達成に向けてさまざま取り組みが進められている一方で、まだ多くの課題が残されています。今回のユースコンサルテーションに参加し、これからの社会を生きていくユース自身が2030年のその先を考えることの重要性を改めて感じました。そして、日本のユースの声がUNESCOに届けられ、国際的な目標づくりにユース世代が関わっていくことに意義を感じました。子どもの意見を取り入れることに対して、「社会の仕組みは大人だけで作っていく方がよい」などといった否定的な意見を聴くこともあります。しかし、子どもには意見を聴かれる権利があり、この権利は国際的な条約などの取り決めにおいても保障されています。ユースが今後の人生を生きていく上で直接関わってくる事柄である社会や教育のあり方には、子どもの意見が十分に取り入れられなければなりません。 今後も色々な立場や価値観の人と対話し、これからの社会や教育のあり方について考え続けていきたいです。 アドボカシー部インターン 出典 [1]10年以上にわたり成果を上げてきたSDGs ― 世界は今こそ有効な施策を緊急にスケールアップすべき:国連報告書 調査結果を発表(2026年7月7日付プレスリリース・日本語訳) | 国連広報センター