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2025.01.14

Vol.4【紛争とは?】 紛争の影響を受けた人々のための支援活動~私たちにできること~

緊急・人道支援

Vol.1からVol.3まで、紛争とは何か、どこで起きているのか、そして子どもたちにどのような影響を与えているのかについて見てきました。

 

この記事では、紛争の中で生きる子どもたちへの「支援」について紹介します。

食料、衣服、学びの場、安心できるスペースの提供など、世界中の人々が紛争地帯に暮らす子どもたちを支援するために努力しています。

 

そして、日本からもできることはあります
どのような支援があるか、またあなたにもできそうな支援の方法について、一緒に考えてみましょう。

ファリスさん、カーン・ユーニス(ガザ地区)の新しい初期診療センターでのセーブ・ザ・チルドレンのスタッフ

セーブ・ザ・チルドレンのような団体は、紛争地域の子どもたちとその保護者・養育者を支援するためにさまざまな活動をしています。例えば、

 

  • 食料と保健・栄養や医療:食料、水などを配布するだけではなく、十分な食事もとれず栄養不良に陥った子どもがいれば治療を行い、けがや体調を崩した子どもに対する保健医療の提供も行っています。
  • 暖かい衣服と毛布: アフガニスタンやシリアのような地域の冬はとても寒いです。支援団体は毛布、コート、靴下、そして雨や雪から子どもたちを守る防水シーツなども配っています。
  • 教育:紛争という緊急下の支援活動では、教育支援は後回しにされがちですが、教育の機会があることは子どもたちの今や未来の希望となります。幼くして働くことや結婚を強制されること、あるいは子ども兵士になることを防ぐためにも、教育は重要です。支援団体は、紛争下であっても子どもたちの学びが保障されるように、資金のサポートを訴えかけるなど、各国政府に働きかけています。
  • 安全なスペース:危険から逃れる中で両親を失ったり、家族と離れ離れになってしまう子どもたちがいます。こうした子どもたちの安全を確保するために、シェルターを提供したり、家族と再会できるようサポートする支援活動もあります。

 

これらの取り組みは、世界中のすべての子どもが、どこに生まれ育っても、誰であっても、生まれた時から持っている「子どもの権利」が実現されるために行われています。

子どもの権利条約第38条:戦争からの保護
子どもの権利条約第38条:戦争からの保護

日本からどんなことができる?

遠くの国で起きている紛争―そんな風に思う人も多いかもしれません。

しかし、紛争の中で生きる子どもたちの力になったり、紛争で避難してきた人々のために、日本にいても私たちにできることはあります。

世界の状況を学び、周囲の人に伝える

世界で何が起きているのか、紛争はどうして起こっているのかを知ることは、課題を解決する上でもとても大切です。

 

紛争が起きている地域の子どもたちのストーリーを読んだり、本やインターネットで学んだり、またあなたが知ったことをあなたの友人や家族にも話してみてください。
また、周りの人たちの理解を深めたり、世界各地で起きている紛争や子どもたちの状況について意識を高めるために、学校のプロジェクトとして調べ学習をしたり、文化祭で発表を行うこともできます。

 

多くの人が知れば知るほど、変化が起きやすくなり、困っている人たちへの支援も集まりやすくなります。

 

また、紛争地域で活動してきた人や、さまざまな社会問題の解決に取り組んできた人たちについて学ぶことで、私たちができることを考えるきっかけになるかもしれません。

 

例えば、セーブ・ザ・チルドレンの創設者であるエグランタイン・ジェブは、第一次世界大戦のさなか、敵味方関係なく、子どもへの支援を始めました。

彼女がどのような思いで、そしてどのようにして子どもたちを助けるための活動をはじめたのかを知ることで、皆さん自身の「できること」を見つけるヒントにもなるはずです。

ジェブの思いは、今でも私たちの中に生きています。

 

あなたの行動が、世界の子どもたちの未来を変える力になるかもしれません!

エグランタイン・ジェブの物語はこちら

セーブ・ザ・チルドレンの創設者、エグランタインジェブの物語
セーブ・ザ・チルドレンの創設者、エグランタイン・ジェブの物語

平和を訴える、キャンペーンに参加する

紛争によって影響を受けている子どもたちのために、あなたが声を上げることもできます。

 

例えば、紛争地域の子どもたちが学びを続けられるよう、日本政府として教育への支援を増やすよう求めることなどができます。

 

あるいは、日本でも戦争の惨禍を二度と繰り返すことのないよう、あなたが賛同できると思うさまざまな活動(例えば署名活動など)に参加してみるのもいいかもしれません。

 

地域や日本の政策決定者に取ってほしいアクションについて手紙やメールを書いたり、テーマによってはパブリックコメントを通じてあなたの考えを届けることもできます。

 

※パブリックコメントとは、国や地方自治体が新しい法律やルール、政策を決める前に、その内容についてみんなの意見を聞く仕組みのことです。政府や自治体は、みんなの意見を集めて、それを参考にしながらルールをより良いものにしようとしています。パブリックコメントは、みんなが政策やルール作りに参加できる大切なチャンスです。

身の回りから始める

紛争の影響を受けた人々への支援は、必ずしも現地での活動に限定されることではありません。

 

例えば、紛争から逃れて日本に来た人々や難民を支援することもできます

相手が置かれた状況や文化的背景に関心を持ち、祖国に戻れるまで日本で安心して暮らせるよう、日本語の勉強を手伝ったり、生活面で必要なサービスにアクセスできるようサポートしてあげることもできるでしょう。

 
これらのことは、あなたが住んでいる地域ですでにそうした活動を行っている団体がないか、まずはインターネットで検索してみるところから始めることができます。

募金する、募金を呼びかける

日本からすぐにできることの一つが募金です。募金を通じて、セーブ・ザ・チルドレンなどの支援団体に協力することで、現地の子どもたちを支えることができます。

 

セーブ・ザ・チルドレンの取り組みや募金について、くわしくはこちら

セーブ・ザ・チルドレンのカウンセリング・ハブで遊ぶウクライナからの難民の子どもたち。2023年12(がつ)、ルーマニア、ブカレスト

 

紛争を起こすのはおとなですが、その影響を最も大きく受けるのは子どもたちです。

だからこそ、子どもたちが取り残されることのないよう、私たちは何ができるかを考える必要があります。 

日本からでも、すべての子どもたちが安心して暮らすことができ、大切にされる世界を築くために貢献することはできます。

 

あなたの「何かしたい」と思うその気持ちが、子どもたちの未来を少しでも明るいものにしていく力につながっていくのです。

 

ここまで読んで、あなたはどんなことをしてみたいと思いましたか? 

小さなことから始めたり、あるいは大きな夢を描いたり、ぜひあなたの考えを家族や友人など周りの人たちにも共有して、支援と理解の輪を広げていきましょう!

 

次の記事では、教育を攻撃から守るための国際社会の取り組み~学校保護宣言~を紹介します。

 

 

この記事を書いた人:アドボカシー部インターン ハギヤユカリ

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