2025.03.03 提灯(ちょうちん)と月餅(げっぺい)で華やかにお祝い:ベトナムの子どもの日【世界の子どもの日特集】 ベトナムの子どもの日は、旧暦8月(がつ)15日です。 (日本で使っている西暦だと、2025年の場合、10月(がつ)6日(むいか)に当たります。) ベトナムで学校を楽しむ子どもたち ※「旧暦」と「西暦」の違いについては、下の【解説】を読んでください。 この日は、「テット・チュン・トゥー(Tết Trung thu)」と呼ばれるベトナムの中秋節(ちゅうしゅうせつ)です。 中秋節(ちゅうしゅうせつ)は、中国から広まった東アジアの伝統行事の一つです。日本では、中秋節(ちゅうしゅうせつ)の日は十五夜として、お月見を楽しみますね。 実は、ベトナムの中秋節(ちゅうしゅうせつ)は「子どもの節句」を意味する「テット・ティエウ・ニー(Tết Thiếu nhi)」とも言われ、子どものための日にもなっているのです[1]。 なぜ、この伝統的な日が子どもの日としてお祝いされるようになったのでしょうか? 一説によると、故ホー・チ・ミン主席が毎年中秋節(ちゅうしゅうせつ)に子どもたちに手紙を送っていたことに由来するそうです。 このため、ベトナムの中秋節(ちゅうしゅうせつ)ではしばし貧しい子どもたちにおもちゃなどを配るボランティア活動が行われます[2]。 ベトナムで子どもたちが企画・運営しているグループでアクティビティを行っている様子 ベトナムの子どもの日には、「提灯」と「月餅」というふたつの定番があります[3][4]。 提灯 中秋節(ちゅうしゅうせつ)が近づくと、「フォー・ロン・デン(Phố lồng đèn)」と呼ばれる灯籠(とうろう)(とうろう)を売るお店が並ぶ夜市が登場します。 さまざまな色や形の灯籠(とうろう)の中には、子ども向けのキャラクターの形をしたものもあります。とてもにぎやかで明るく、夜市では多くの人が楽しんでいます。 ベトナムの提灯はカラフルで華やかなのが特徴です! 月餅 ベトナムでは、中秋節(ちゅうしゅうせつ)にお世話になっている人に月餅を贈る習慣があります。 小麦粉や米粉から作られていて、形は四角いものと丸いものがあります。 中の餡(あん)にもさまざまな種類があり、最近では変わり種(ティラミス月餅や抹茶月餅など)も出てきているようです! ベトナムの子どもの日に食べられる月餅(げっぺい) 月餅を食べる文化は、日本の中秋節(ちゅうしゅうせつ)(十五夜)でお月見をしながらお団子を食べるのと少し似ていますね。 ベトナムの月餅は子どものためのお祝いも合わさって、とてもにぎやかで楽しそうです! もっとくわしく知りたい人は、以下の解説も読んでみてね! 言葉の解説 「旧暦」と「西暦」の違い まず、「旧暦」と「西暦」のどちらにもついている暦(こよみ)とは、何のことでしょうか? 暦とは、時の流れを年・月・週・日の単位に区切ってわかりやすくするためのものです。カレンダーの区切り方だと思ってもらえば、わかりやすいでしょう。 実は世界中で同じ暦を使っているわけではなく、国や地域、時代によってさまざまなものが使用されています。世界で最も一般的に使われている暦は、グレゴリオ暦です。西暦は、グレゴリオ暦の年号です。 「西暦(グレゴリオ暦)」とは? 西暦は、太陽の動きを元にして作られています。(そのため、西暦は太陽暦とも呼ばれています。)現在の日本も西暦(グレゴリオ暦)を使用しています。 西暦(グレゴリオ暦)では、4年に1回、2月に「うるう日(29日)」を加えて、1年を366日にすることで、カレンダーと季節のずれを調整しています。しかし、400年に3回だけ「うるう日」をなくす特別なルールもあります。これは、地球が太陽のまわりをまわる時間が「ぴったり365.25日」ではなく、少し短いためです。 「旧暦」とは? 西暦が太陽の動きを元に作られたのに対して、旧暦は月の満ち欠けを元にして作られています。 旧暦では、新月、つまり月がほとんど見えなくなる日をその月の始まりとして、次の新月が来るまでの期間を1ヶ月(かげつ)としました。新月から新月までは平均すると約29.5日になるので、12ヶ月(かげつ)間だと太陽をもとにした暦より約11日短くなります。 中秋節は、西暦だと9月(がつ)から10月(がつ)初めのいずれかの日に当たります。 出典: [1][2][3] VIETJO – 中秋節~ベトナムの旧暦8月15日~ [4] ベトナム徒然日記 – ベトナムの中秋節について