参加する ACTION

子どもたちの参加例

2025.03.07

川崎市子ども会議の今

教育

あなたの声が街を変える!

2023年4月に発足したこども家庭庁は、子どもの声を聴くことを重視しています。

これまで、全国のさまざまな市町村で子どもや若者の意見を聴き、それを地域で活かすための取り組みが行われてきました。

ここでは、その中でも「子ども参加」の先がけといわれる神奈川県川崎市の子ども会議の取り組みについて紹介します。

令和6年度川崎市子ども会議実施の様子
令和6年度川崎市子ども会議実施の様子

子ども会議とは

子ども会議とは、「子どもの権利条約」の中の「子どもが意見表明をする権利」を保障することや、地域づくりや市町村の政策に子どもが意見表明や参加をすることを目的とした取り組みです。現在、全国各地で子ども会議が行われています。

子どもの権利条約 第12条:意見を表す権利

自分に関わるすべてのことについて意見を聴かれ、その意思を大切にされる権利があります。

子どもの意見表明権、参加する権利などとも言います。

子どもの権利第12条:意見表明権、参加する権利
子どもの権利第12条:意見を表す権利
(意見表明権、参加する権利)

川崎市子ども会議とは

川崎市の子ども会議は、2002年に全国初の子ども会議として活動を開始しました。これは「川崎市子どもの権利に関する条例」に基づいています。

メンバーは、川崎市で暮らしている、または川崎市の学校に通っている若者によって構成されており、2025年現在のメンバーは小学4年生から18歳までの44名です。

川崎市子ども会議は原則月2回、子どもの自主・自発的な取り組みで運営されています。活動内容は毎年メンバーが自分たちで決めており、テーマに関する調査や課題解決につながるような活動を行っています。

川崎市の新しい教育プランを考える一環として、「どのような大人になりたいか?」について意見を出し合うメンバーたち
川崎市の新しい教育プランを考える一環として、「どのような大人になりたいか?」について意見を出し合うメンバーたち
「どのような大人になりたいか?」を考えた後は、それを実現するために、「どんな学習や経験が必要?」か、教育プランのアイディアに落とし込む|川崎市教育プラン
「どのような大人になりたいか?」を考えた後は、それを実現するために、「どんな学習や経験が必要?」か、教育プランのアイディアに落とし込む

 

川崎市子ども会議の現在

令和6年度は、以下の4つのチームに分かれて活動しています。

  • (1)「Our Voice」~子どものホンネを届けるラジオ~
    子どものモヤモヤや言いたいことを募集して収録し、音声をラジオ番組風に発信します。
  • (2)「皮崎Life」~食べられるのに捨てられてしまう・・・そんな野菜の皮を救いたい!!~ 
    フードロスの観点から、捨てられてしまっている野菜や果物の皮の活用方法を紹介します。
  • (3)「Calights」~災害時、子どもの権利に光を当てる~ 
    災害時の避難所で子どもの権利が守られているかどうかについて考えます。
  • (4)「川崎の良いところさがし」
    川崎市内の良いところを紹介するWebページを作って発信します。

 

また、子ども会議では1年間のテーマを決めて定例会議で話し合ったり、「カワサキ☆U18」と題して、多くの子どもや大人と話し合ったりしてまとめた意見を、3月に市長に伝える活動を行っています。

例えば令和6年度は「子どもが考える地震のそなえ」というテーマのもと、話し合いを進め、市長への意見としてまとめました 。

川崎市子どもの会議の拡大企画である「カワサキ☆U18」。令和6年は、「子どもが考える地震のそなえ」というテーマのもと、市内の各地から子ども38人と、地域防災組織やPTA関係者が参加し、意見を出し合った。
川崎市子どもの会議の拡大企画である「カワサキ☆U18」。令和6年は、「子どもが考える地震のそなえ」というテーマのもと、市内の各地から子ども38人と、地域防災組織やPTA関係者が参加し、意見を出し合った。

子どもの声で変化したこと

市長へ「GIGA端末には、ウェブの閲覧に一部制限がかかっているけど、必要なときに必要なところだけ、閲覧希望を伝える方法がほしい」と報告したところ、学校活動に必要なページは閲覧できるようリクエストを出せるようになりました!

こうした取り組みを支えるために、かつて子ども会議に参加していた人などが、サポーターとして子ども会議の居場所づくりに貢献しています。

福田紀彦(ふくだ のりひこ)市長に、活動の報告と要望を伝える子ども会議のメンバー。川崎市子ども会議では、毎年市長へ活動の報告をしています。これまでにも、市内の喫煙所の環境改善を提案して、市の取り組みに反映された例があります。
福田紀彦(ふくだ のりひこ)市長に、活動の報告と要望を伝える子ども会議のメンバー。川崎市子ども会議では、毎年市長へ活動の報告をしています。これまでにも、市内の喫煙所の環境改善を提案して、市の取り組みに反映された例があります。

 

参加メンバーからは、

「普段はなかなか言えないことを自由に話し合える、みんなで一緒に考えられる」

「学校の外で友達ができる」

「自分たちの活動が川崎のまちにとって役に立っている」

「自分たちの提案が大人に聴いてもらえる」

といった声が聴かれました。

 

今後の課題として、どうしたら自分たちの想いを、もっと多くの大人たちや子ども同士で共有できるかが挙げられており、川崎市子ども会議をさらに良くしていくためのチャレンジを進めているそうです。

川崎市子ども会議のメンバーは、

「川崎市子ども会議の取り組みが子どもと大人が一緒になって住みやすい街にしていくだけでなくこどもまんなか社会のモデルになるようにしたい

と意気込みを語ってくれました。

 

今回紹介した川崎市子ども会議では、子どもが主体的に川崎市の課題に取り組んでいる姿が非常に印象的でした。今後も川崎市子ども会議の活動に注目していきましょう!

 

また、あなたの街にも子ども会議や子ども・青少年協議会などがあるか、ぜひ調べてみてください!
(試しに、自分が住んでいる「市や区の名前」×「こども会議」などで検索してみてね。)

 

そもそも政府や自治体はどんなことをしているの?と思ったあなたは、こちらのページへ:
子どもの権利についてー政府や自治体の取り組み

 

 

【参考(大人の方向け)】 

「こども基本法」の施行により、2023年度から全国のすべての自治体において、子どもの最善の利益を実現するために、子どもや若者の声を子ども関連施策に反映させていくための取り組みが求められています。

セーブ・ザ・チルドレンでは、自治体職員を対象に、各自治体での子ども参加事例の紹介や、子ども参加で考慮すべきポイントなどについて勉強会を開催しています。

くわしくはこちら

#川崎市 #こども会議 #子ども参加 #川崎市子ども参加の今

 

この記事を書いた人:アドボカシー部インターン 吉田莉々

この記事はいかがでしたか?

一覧へ戻る