2026.03.14 【子どもたちの今】中東の戦闘で、1億人以上の子どもたちが恐怖の中で過ごしています 緊急・人道支援 この記事と特に関連が深い子どもの権利・第6条:生きる権利・育つ権利(命を大切にされる権利)・第38条:戦争からの保護(平和に生きる権利。紛争・戦争でたたかうことを強いられず、紛争・戦争に巻き込まれた場合には、保護される権利がある) 2026年2月末から、中東とその周辺地域で戦闘が激しくなったことで、少なくとも1億人以上の子どもたちが恐怖やストレス、命の危険や避難を強いられるリスクにさらされています。 影響と被害の大きさ この紛争は、ここ数十年で中東地域で最も大きな規模のもので、少なくとも15ヶ国に影響が広がっています。被害が大きい国々では、空爆によって家や学校、病院が破壊されています。子どもたちは身体的にも心理的にも大きな傷を受ける危険が高まっています。 公式な発表や報道によると、戦闘が激しくなってから最初の5日間だけで、約200人の子どもたちが犠牲になりました。これは学校の教室の6クラス分以上にあたる数です。 このような状況を受けて、中東地域では多くの学校が閉鎖になり、子どもたちが外に出て遊ぶこともできません。病気やケガの治療は難しくなっており、子どもたちは眠れない夜を過ごしています。 地域によっては食べ物の値段が急激に上がっています。 セーブ・ザ・チルドレンが今回の戦闘で家を追われ避難しているレバノンの家族に配った物資。歯磨き粉やタオル、石けんなどが入っています。 現地からの報告 現在、影響を受けている地域に暮らす家族は、子どもたちを守るためにできることをすべてしています。 学校やその他の建物に避難したり、地下室のある親せきや友人の家に身を寄せたりしている人もいます。 セーブ・ザ・チルドレンの現地スタッフの話では、窓にテープを貼って爆発のときにガラスが飛び散らないようにしたり、子どもが眠れるようにホワイトノイズ[注]を流したりしている家族もいるということです。 [注]「サーッ」「ザーッ」という雑音で、周りの騒音をかき消す効果があります。 セーブ・ザ・チルドレンの中東・北アフリカ・東欧の地域統括責任者であるアフマド・アルヘンダウィは、次のように話しています。 「すべての戦争は子どもへの戦争です。そして今回も例外ではなく、子どもたちが最も大きな影響を受けています。子どもたちは大人たちの戦争に巻き込まれ、恐怖の中で生きています。すでに約200人の子どもたちが亡くなっており、すぐに行動しなければ、さらに多くの罪なき命が失われる可能性があります。子どもたちが巻き添えになることが、『やむを得ない被害』として扱われることは決してあってはなりません。戦争にもルールがあり、どんな争いにおいても子どもは決して攻撃の対象になってはならないのです。 「子どもたちは、壊滅的な地域紛争に巻き込まれることを恐れています。生まれて初めて、家を揺るがす爆発音を聞いて、何が起きているか理解できない子どもたちがいます。他方、長年にわたる紛争によって幼少期を奪われてきた子どもたちもいます。何度も家を追われ、安心や安全をまったく感じられなくなってしまった子どもたちもいます。」 「1億人以上の子どもたちが、激化する紛争の影響を受けている地域に暮らしています。すべての戦闘を終わらせ、さらなる拡大を防ぎ、子どもたちを守るためにあらゆる努力が必要です。民間の人々のさらなる被害を防ぎ、地域全体で子どもたちが安心して暮らせる環境を作り出すことができるのは外交(国同士の話し合い・交渉)だけです。事態がさらに悪くなれば、その代償を最も多く払わされるのは、この戦争を生み出したわけではない子どもたちなのです。」 子どもたちを戦争に巻き込まないで セーブ・ザ・チルドレンは、武力攻撃に関わるすべての当事者に対し、今すぐ攻撃をやめ、国際人道法[注1]を守ることを強く求めています。特に、学校や病院を含む民間施設への攻撃を絶対にやめなければなりません。 また、人口が密集している地域において爆発性の兵器[注2]を使うことは、民間の人々、特に子どもたちに深刻な危害をもたらす危険性があり、何としてでも避けるべきです。 [注1] 戦争中であっても守らなければならない国際的なルールのことで、主に一般市民(戦闘に参加していない人たち)を守ることを目的としています。[注2] 爆発によって周囲を破壊する兵器(武器)のことです。ミサイルや爆弾などが代表的な例です。爆発の衝撃や破片が広く飛び散るため、ねらった相手だけではなく近くにいる一般市民にも大きな被害を与える可能性があります。 考えてみよう 世界中には、あなたと同じ年代の子どもたちが戦争や紛争で怖い思いをしています。この記事を読んで知ったことやあなたが感じたことを、誰と話してみたいですか?また、日本からどんなことができると思いますか? アドボカシー部社会啓発チーム インターン この記事は、セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナルでリリースされた記事を参考に書かれています。 “Children Living in Fear: More than 100 Million Children Impacted in Middle East Regional Conflict – Save the Children” 【補足】 中東および周辺地域での戦闘の激化から最初の5日間でそれぞれの国で亡くなったと確認された子どもの数(政府発表や報道より): イラン:10歳未満の子ども181人レバノン:8人(同国保健省による)イスラエル:3人クウェート:1人 戦闘の激化の影響を受けている15ヶ国(バーレーン、キプロス、イラン、イラク、イスラエル、ヨルダン、クウェート、レバノン、オマーン、カタール、サウジアラビア、パレスチナ占領地、シリア、トルコ、アラブ首長国連邦)には、1億人以上の子どもたちが住んでいます。2026年2月28日以降、少なくとも14ヶ国がミサイル攻撃または空爆を1回以上受けています。また、イスラエルはこうした事態の中、ガザ地区への一部の国境検問所を閉鎖しました。 子どもの人口データは、国連の World Population Prospects(2026年版) に基づいています。