自分と社会・世界 ISSUES

2025.05.16

Vol.3 SDGsを評価するための方針~SDGsの達成度を考えるために

保健・栄養教育子どもの貧困

SDGsの方針ってなに?

SDGs(持続可能な開発目標)は、人々の権利を大切にしながら、世界中の国や団体が協力して進める「未来をよくするための目標」です。

SDGsは「何をするべきか」を決めたものですが、それだけではうまくいきません。

「どうやって進めるか」を考えるための大事なルールや考え方(方針)もあります。

 

これを家づくりにたとえると、方針は家の土台、SDGsはレンガや壁です。しっかりした土台の上にレンガを積んでいくことで、みんなが幸せに暮らせる、平等で、ずっと続く社会をつくることができます。

方針SDGsは人権の考え方に根差しています。

 

以下は、子どもの視点からSDGsを評価するためのワークシート「子どものためのスコアカード」の土台になっている5つの方針です。

 

「SDGsがどれぐらい達成されているか、どのような視点から測ればいいの?」と思ったら、以下の方針にもとづいて、自分の周りの社会や、世界の状況を調べてみてください。

そして、あなた自身の意見について考えてみてください。

1.普遍性(すべてのものに当てはまること)

SDGsと人権は、どんな国でも、どんな状況でも、どんな時代でも当てはまります。つまり、世界中のすべての人は、生まれたときからこれらの権利を持っているということです。

そのため、子どもの権利を守り、SDGsを達成するために努力することは、すべての国のリーダーたちの大切な責任です。

2.一人(ひとり)取り残さない

世界のリーダーたちは、SDGsがすべての人のために達成されるように、また特に困難な状況にある人々や、取り残される可能性がある人々を置いてけぼりにしないよう努力することを約束しました。

例えば、ある国の首都で生まれた子どもも、農村で生まれた子どもも、同じように命を守られ、学び、成長するチャンスが平等に与えられるべきです。

この考え方は、子どもの権利条約の第2条 「人種・皮膚の色・性別・言語・宗教・障害・貧富の差・考え方・生まれた環境や場所などによって差別されない権利」にも書かれています。

子どもの権利条約第2条:差別されない権利

3.相互関連性と不可分性(互いに関係すること・切り離せないこと)

人権とSDGsは、どの目標も他の目標に影響を与え合い、お互いに支え合っているという相互関連性があります。つまり、ある目標を達成することが、他の目標を達成する手助けにもなるということです。

また、すべての目標は同じくらい大切で、不可分性を持っています。どれか一つだけを達成すれば良いということではなく、すべての目標を同時に達成していくことが必要です。

4.変革的であること(変わって新しいものになること)

人権とSDGsは、ただ一時的に問題を解決するためのものではありません。それは、子どもたちを含むすべての人々が自分の権利を守り、どのような生活を送りたいか自分で選べるように、制度やさまざまな不平等を変えることを目指しています。

5.パートナーシップ(目標を達成するために協力すること)

SDGsは、政策決定者やおとなだけでなく、子どもや若者を含む社会のすべての人が協力しなければ達成できません。子どもたちは、自分の経験をみんなに伝えることで、大切な役割を果たします。

そして、自分たちの生活に影響を与える決定について、子どもたちの意見がちゃんと聴かれるようにするべきです。

この考え方は、子どもの権利条約の第12条、「子どもたちは、自分に関わるすべてのことについて意見を聴かれ、その意思を大切にされる権利」にも書かれています。

子どもの権利条約第12条:意見を聴かれる権利(参加する権利とも言われています)

 

世界のリーダーたちは、「2030年までにSDGsを達成しよう」と約束しました。そのために、目標を決めて、どれくらい進んでいるかをチェックしながら取り組んでいます。

日本政府がSDGsの達成度合いを測る2025年[2]に、あなたもこの大切な5つの方針をもとに、SDGsの進捗を評価してみませんか? 

  

この記事を書いた人:アドボカシー部インターン 吉田莉々

 


[1] Vol.2 日本はSDGsをどれぐらい達成できているの?あなたの観点で評価してみよう!
[2] Vol.1 日本はSDGsをどれぐらい達成できているの?自発的国家レビュー(VNR: Voluntary National Review)とは

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