自分と社会・世界 ISSUES

2026.07.07

未成年のSNS利用禁止、あなたはどう思う?

子どもの保護

イギリスでのSNS禁止に関する方針

イギリスが未成年のSNS禁止を発表
未成年のSNS禁止

この記事と関連が深い子どもの権利
第16条:プライバシー・名誉の保護
第17条:情報へのアクセス

近年、子どものSNS利用による被害を防ぐため、SNSの利用禁止に関する議論が多くの国で行われています。

今回は、直近で発表された、イギリス(United Kingdom: UK)における未成年のSNS利用禁止に関する方針と、セーブ・ザ・チルドレンUK(イギリスに拠点を置くセーブ・ザ・チルドレン)の意見について紹介します。

セーブ・ザ・チルドレンUKの見解

オーストラリア、スペイン、フランスなどに続いて、イギリスが未成年のSNSを禁止する方針を決めた国に新たに加わりました[注]。

[注] 未成年のSNS禁止を導入した各国が設けている年齢制限:
オーストラリア:16歳未満
フランス:15歳未満
スペイン:16歳未満
イギリス:16歳未満

 

2026年6(がつ)15日、イギリス政府は16歳未満のSNS利用を禁止する方針を発表しました。実施は2027年を見込んでいます[1]。

これを受けて、セーブ・ザ・チルドレンUKは次のような見解を示しています。

この発表は、オンライン空間における子どもの安全に対するもっともな懸念を反映したものだと考えます。
しかし、SNSの全面禁止は、子どもたちがデジタルの世界にアクセスしたり体験したりする方法を変えてしまうでしょう。
イギリス政府が子どもたちに関わる重要な決定を行うときには、子どもたち自身や、独立した専門家の意見を聴く必要があります
一律のSNS禁止は、一見子どもたちを保護しているように見えるかもしれません。
しかし、実際には、規制のゆるいオンライン空間に子どもたちを追いやることになりかねません。
そこで何か問題が起きたときには、今まで以上に助けを求めにくくなってしまうのではないかと私たちは懸念しています。
経済的に困難な状況にある子どもたちは、(情報へのアクセスという点などにおいて)最も大きな影響を受けるでしょう。
政府がもしオンライン空間をより安全にしたいと考えるのなら、解決策は単に子どもたちをそのプラットフォームから締め出すことではありません。
子どもたちがオンライン上で危険な目に合わないよう、企業などはプラットフォームを設計段階から安全なものにすることに力を注ぐべきです。具体的には、知らない人との接触、ライブ配信、画像を不適切に加工するツール、安全ではないAIシステムといった、依存性やリスクの高い機能への対策を行うなどして、保護者への支援を充実させることが重要です。

 

このように、セーブ・ザ・チルドレンUKは、未成年のSNS利用を一律に禁止することには反対という立場をとっています。

未成年のSNSをただ禁止するのではなく、子どもや専門家の意見を反映させたルールづくりをすることや、子どもを見守る保護者への支援、そしてプラットフォームがより安全な場になるよう設計したり規制することが必要です。

また、一律禁止によって、SNSをこっそり使うようになって、困っても大人に頼れなくなる子が出てしまうことや、住んでいる場所や周りの環境によって情報格差がより生まれやすくなってしまうことについても考える必要があります。

子どもの権利条約第17条:さまざまな情報にアクセスでき、有害な情報からは守られ、情報を有効に活用する権利があります。
子どもの権利条約第17条:さまざまな情報にアクセスでき、有害な情報からは守られ、情報を有効に活用する権利があります。

日本でもスマホ利用時間に制限

皆さんは1日にどれくらいスマホやタブレットを使っていますか?

もしその使用時間が制限されたら、どんな気持ちになるでしょうか。また、どんなことに困るでしょうか。

 

イギリスでは16歳未満のSNS利用の禁止の方針が出されましたが、日本でも子どものスマホ利用に制限を設けている自治体があります。

愛知県豊明市では、子どものスマホ利用について「1日2時間以内が望ましい」とする条例が制定され、SNSやスマホとの向き合い方が議論されています[2]。

時間を具体的に明示してスマホ利用を制限する条例は、全国で初となります。

あなたは未成年のSNS禁止についてどう思う?

イギリスにおける未成年のSNS利用禁止や、日本の自治体がスマホの利用時間の制限に踏み切った背景には、スマホの長時間利用やSNS依存、有害コンテンツへの接触など、子どもを取り巻くオンライン上のリスクが挙げられます。

確かに、SNSには危険があります。見知らぬ人との接触や不適切な投稿など、スマホ1台で簡単に世の中とつながることができる時代だからこそ、オンライン上には多くの危険がひそんでいます。

 

でも、ただSNSを禁止するだけでは、子どもを守ることはできません。

 

オンライン上のリスクから子どもたちを守るためには、SNSを安全に使うための方法やルールを子どもたちと一緒に考えることが必要です。また子どもたち自身が、スマホやオンライン上にひそむ危険性を知り、どのように向き合っていくかを学ぶことが大切です。

 

考えてみよう

子どもの安全を守りながら、正しくスマホやSNSを使うためには、どのような方法があると思いますか?
あなたやあなたの家族、または周囲の子どもたちが設けているルールやすでに行っている取り組みはありますか?

 

アドボカシー部インターン

 


出典

[1] GOV.UK, Press Release, “Social media to be banned for under-16s in landmark government move to give kids their childhood back – GOV.UK“, 2026.06.15
[2] 豊明市、「2025年10月1日『豊明市スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例』施行

この記事はいかがでしたか?

一覧へ戻る