2025.08.22 【10代必見】スマホ・SNSの危険から身を守る!オンラインでの安全対策5つのコツ 子どもの保護 皆さんは、毎日どれくらいスマートフォン(スマホ)やタブレットを使っていますか?友だちとのメッセージ、動画、ゲーム、SNS… 便利で楽しいことがたくさんありますよね。 一日中スマホを手放せない、という人もいるかもしれません。 でも、インターネットの世界には、危ないことや、嫌な気持ちになることもあります。例えば、知らない人からのメッセージや、心ない言葉、にせ情報、セクストーション(性的脅迫・脅し)など。そんなとき、どうやって自分を守ればいいのでしょうか?子どもの権利とのつながりも見ながら、考えてみましょう。 子どもの権利条約第17条:さまざまな情報にアクセスでき、有害な情報からは守られ、情報を有効に活用する権利があります インターネットで気をつけたいこと こども家庭庁の調べによると、今や10歳前後からほぼ全員が持っているスマホ[1]。しかし、ネットの中には、例えばこんなリスクがあります。あなたも、ニュースでこうした事件について聞いたり、実際に経験したりと、思い当たるものはありませんか? 人間関係のトラブル - SNSでの悪口やネット上のいじめ 友だち同士でも、文字だけのやり取りで誤解が生まれやすい - 身に覚えのない誹謗中傷(根拠のない悪口・嘘の話で相手の評価を下げること) 突然、知らない人から心ない言葉を投げかけられることも -しつこい連絡 ブロックしても別のアカウントから接触を続けてくる プライバシーの危険 -写真から個人情報が特定される 何気なくアップした写真から、名前や住所がわかってしまう -なりすまし被害 名前や写真を勝手に使われて、金銭的な要求をされることも 犯罪に巻き込まれるリスク -「出会い系サイト」「オンラインゲーム」などを通じて知らないおとなと知り合う 「実際に会おう」と誘われて、危険な目にあう可能性がある - 闇バイトの罠 「簡単に稼げる」という甘い言葉にだまされて、犯罪に加担してしまうことも 金銭トラブル・詐欺 -ゆすり(人の弱みにつけこんでお金をもらおうとすること)や、言いがかりをつけてお金を払わせようとする手口 -家族・友人となりすまして、助けを求めるフリをしてお金を要求してくる セクストーション(性的脅迫)・有害なコンテンツ -セクストーション(性的脅迫) 性的な会話を要求してきたり、性的な写真を送らせようとしたりなど、脅迫の材料にされる危険性 -見たくない画像や動画 突然、ショッキングな内容を見せられることも 子どもの権利条約第34条:不法な性行為をさせられることや、性的な写真や動画を撮られることなど、あらゆる性暴力から守られる権利があります これは一部の人にだけ起こることではありません。誰でも、知らないうちに巻き込まれてしまうことがあるのです。 こうしたリスクを知っておくだけでも、トラブルを避ける第一歩になります。 ネットの中でも、あなたには権利がある トラブルを避けるための具体的な対策方法を見ていく前に、ネットを安全に楽しむために、まず「自分にはこんな権利があるんだ」と知っておくと安心です。 自分らしさを広げる権利 インターネットを使って、自分の興味や得意なことを深め、学びを広げることができます。 個人情報やプライバシーを守る権利 名前、住所、学校、写真など、個人を特定できる情報は、自分の同意および保護者の承諾なしに使われないよう守られます。 考えや気持ちを自由に表す権利 自分の意見や気持ちを安心して発信でき、同時に他の人の考えや気持ちも尊重する責任があります。 情報を見極め、意見を言う権利 ネットの情報をそのまま受け取るのではなく、自分で考えて自分の意見を言うことができます。 不快なことに「イヤ」と言う権利 ネットで嫌なことをされたら、はっきり断り、必要なら信頼できるおとなに助けを求めることができます。 年齢に合った安全な方法で参加する権利 年齢や状況に合わせて、安全にネットを楽しみ、必要な情報を手に入れることができます。 ネットを安全に楽しむための5つのヒント 今日から実践できる5つのヒントを紹介します。 1.投稿する前に「ちょっと待って!」 個人の名前、生年月日、制服や学校の名前、住所、位置情報、旅行の予定などはネットに出さないようにしよう。また公開の範囲を家族・友だちに限定しよう。「これを出しても大丈夫かな?」と一度立ち止まって考えるのが大切です。 2.写真を投稿する場合は、必ず一緒に映っている人のOKをもらってから 友だちや家族の写真は、必ず本人に聞いてから、また友だちの保護者の承諾も得てから投稿しよう。 また、投稿してほしくない自分の写真を無断で投稿されてしまった場合、我慢せずに「削除してほしい」ことを投稿者に伝えて、自分のことも守ってね。 3.時間の使い方を見直そう ゲームやSNSが睡眠や家族・友だちとの時間を減らしていないか、ときどきチェック。 4.家族とルールを決めて守ろう スマホやタブレットを使う時間、遊んでいいアプリやゲームを一緒に決めて時間が来たらちゃんと終わらせよう。 5.おかしいと思ったらすぐ相談 知らない人からの突然のメッセージや、嫌な言葉・画像を見たら、一人で抱え込まずに信頼できるおとなにすぐ話そう。 知っているおとなには相談しづらい…という場合には、次の項目で紹介するような相談窓口を利用してみてください。まず事情を聞いてもらうこともできます。 インターネットでトラブルに巻き込まれた時の相談先 政府が運営している公的な相談窓口で、SNSやインターネット上のトラブルにも対応しているところをいくつか紹介します。 子供のSOSの相談窓口(文部科学省) いじめ問題から家族関係まで、さまざまな子どものSOSに対応しています。例えば、「SNSやインターネットで悪口を書き込まれた」といったような不安や悩みについても、相談に乗ってくれます。 24時間の電話相談(0120-0-78310:通話無料)、SNS相談、地元の窓口相談など、自分が希望する相談方法を選ぶことができます。保護者が代わりに相談することもできます。 こどもの人権110番(法務省) 学校や家でいやなことをされる、先生や保護者には話しにくいけど、このままではどうしていいか分からないなど、このような悩みがあったら迷わず電話してください(0120-007-110:通話無料・平日8:30-17:15)。インターネット上のトラブルに巻き込まれた場合にも利用できます。「まわりでこんなことで困っている人がいる」という相談でも大丈夫です。 電話の他、LINEやメールでの相談もできます。 なお、最近では、性的な画像等がインターネットを介して拡散されたり脅しに使われるといった被害が発生しています。 性的画像を勝手に公表することは言うまでもなく、子どもの性的画像を撮影したり持っているだけでも違法です。 また、18歳未満の性的な画像・動画の保存や所持は、たとえ同年代同士でも違法です[2]。 ネットで公表されてしまった画像などは、インターネットのプロバイダーなどを通して削除をしてもらえる場合があるので、できる限り早く最寄りの警察署などへ相談してください。 ※ネット上に画像を無断で掲載されたら…リベンジポルノ等の被害を防止するために(警察庁のページに飛びます) 性的なことは、なかなか回りの人に相談しづらいかもしれません。しかし、相談することは決して恥ずかしいことではありません。専門家は多くのケースを扱っており、親身になって話を聞いてくれたり、秘密が守られた状態で解決に向けた適切なアドバイスやサポートを受けられます。 もし今あなたが上記で思い当たるようなことがあったり、周りの友だちが被害にあったことを見聞きした場合、まずは以下のような性犯罪・性暴力に関する相談を受け付けている窓口に連絡してみてください。 ここでは、産婦人科などの医療機関、カウンセリング、また法律相談などの専門機関とも連携しています。 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(内閣府) 携帯電話、NTTアナログの固定電話からは#8891(はやくワンストップ) NTTひかり電話からは0120-8891-77で最寄りのワンストップ支援センターにつながり、通話料無料で相談することができます。 「自分一人でなんとかしよう」と思わず、勇気を出して専門家に相談することで、きっと解決の道筋が見えてきます。あなたを支援してくれる人たちがいることを忘れないでくださいね。 最後に インターネットは、使い方次第であなたの世界を広げてくれる、今の社会に必要不可欠な道具です。でも、安心して使うためには、ルールを知って、自分を守る力を持つことが大事です。 また、あなたと同じように、他の人も等しく大切な存在です。オンライン上では、匿名で気兼ねなく自分の意見を発信したり表現できるのが良い点ですが、人をむやみに攻撃したり、傷つける内容になっていないか、発信する前に一度立ち止まって考えるようにしましょう。 今日から少しずつ、自分のネットの使い方を見直してみませんか? <参考> 周りのおとなができることについて、くわしくはこちら:【子どもの保護】スマホが日常の今考える、子どものオンラインの安全 この記事を書いた人:海外事業部 内藤優和 [1] こども家庭庁(2024年)「青少年のインターネット利用環境実態調査」※上記調査によれば、10-17歳のほとんど(約98%)がインターネットを使っており、中学生の約8割、高校生のほぼ全員がスマホを持っています。[2] e-GOV(2025年)「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」、令和7年6月1日施行「児童ポルノ法」は、18歳未満の子どもたちを性的な被害から守るために作られた法律です。この法律では、18歳未満の子どもの性的な画像・動画を撮影すること、それらを他の人に渡したり、インターネットに投稿すること、またスマホやパソコンに保存することが禁止されています。例えば、中学生や高校生など同年代同士でこのような行為を行った場合も違法です。「軽い気持ち」でも重大な犯罪ですので、被害者にも加害者にもならないよう注意する必要があります。