2024.08.21 【シリーズ第5回:災害時の多様性についてかんがえる】災害と外国人・外国にルーツがある人(3) 防災・気候変動 このブログは災害時の多様性についてかんがえるシリーズです。今回は外国人・外国にルーツがある人についてのお話の全3回のうち、第3回目です。第1回は、災害時の外国人・外国にルーツがある人の問題点とその解決方法について。(第1回の記事はコチラ)第2回は一般財団法人自治体国際化協会(CLAIR/クレア☆ さんが作った支援ツールについて、セーブ・ザ・チルドレンから聞いてみました。(第2回の記事はコチラ) 今回は災害時の外国人・外国にルーツがある人の今後の課題点と取りくみについて聞いてみす。 セーブ・ザ・チルドレン:今までいろんな話を聞かせてもらいましたが、つぎに、災害時の外国人・外国にルーツがある人への支援で、これからの課題点や取りくみについて教えてください。 クレア:これからの課題は、日本でくらす外国人にきちんと情報がとどくようにさらに工夫していかなければならないことです。国内の外国人の数はこれからさらに増えていくと予想されています。そうすると、国籍も在留資格(職業、バックグラウンド)も多様化し、言語もカバーしきれなくなります。とくに災害時の情報伝達は緊急なので、日ごろから地域にどういった外国人がいて、なんの言語を話している人が多いのか、情報手段はなにを使っているのかを知っておく必要があります。また外国人を支援する人材をきちんと確保しなければいけません。災害時も日本人、外国人、分けへだてなく対応できたらいいのですが、なかなかそこまでの信頼関係がきずけていないこともあるので、日ごろからつながりを深めておく必要があります。その場合、外国人が助けられる側で、日本人が助ける側ではなく、外国人が助ける側で、日本人が助けられる側になることもでてくるでしょう。たとえば、高齢者が多い地域では外国人が防災リーダーとなって避難を手助けする仕組みをすすめているところもあります。それぞれの地域で、おたがいに外国人も日本人もそれから自治体も、そしてクレアも、一体となって地域を作り上げていくとことが大きな課題です。 セーブ・ザ・チルドレン:ありがとうございます。最後に、災害時の外国人支援について、読者のみなさんに知っておいてもらいたいことがあれば教えてください。 クレア:まず、外国人というだけで、言葉が通じないのではと思って避けてしまう人がよくいるのですが、やさしい日本語で、わかりやすく、はっきり、ゆっくりしゃべると伝わることが多いです。とくに災害時は、日本語でいいので、逃げなきゃいけないんだよ、どこどこに逃げるよ、ときちんと細かくていねいに説明してあげてください。それからその人の母国語で発信しているような情報サイトや、外国人の支援の窓口(自治体の国際担当課や地域国際化協会、国際交流協会など)を伝えてあげてください。日ごろできないことが災害時に急にできるようになることは、まずありません。いざというときに助け合えるよう、日ごろからたより合える関係をきずいてもらいたいと思います。 セーブ・ザ・チルドレン:クレアのみなさん、ありがとうございました。 《まとめ》 今回は災害時の多様性のなかでも外国人、外国にルーツがある人への対応について、クレアさんへのインタビューをもとに紹介しました。このように、外国人・外国にルーツがある人を支援するための団体、方法、取りくみがたくさんあります。しかし外国人・外国にルーツのある人がより安心・安全に避難して、避難所での生活を送るためには、さらなる取りくみとともに、一人ひとりの声がけや意識が必要です。また外国人のなかには、日本の災害について学び、防災リーダーになっている人もたくさんいます。日本人と外国人が分けへだてなく、ともに助け合えるということも覚えておいてください。 クレアのみなさん、ご協力ありがとうございました。 次回は災害時のジェンダーについて、お伝えしていきます。 《多様性に配慮した災害への備えについて、もっと学べるサイト》 外国人のための減災のポイント(やさしい日本語と多言語QRコード対応) : 防災情報のページ – 内閣府 (bousai.go.jp) TFD-TOKYO FIRE DEPARTMENT ※このブログは2023年6月に作成しました。防災に関する最新の情報は内閣府のホームページをごらんください。https://www.bousai.go.jp/ (国内事業部インターン 野田麻子)