セーブ・ザ・チルドレンは、誰もがどこでも、質の高い保健・医療サービスを受けられる「ユニバ ーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」の実現を目指しています。UHCとは、すべての人が適切な保健医療サービスを支払い可能な費用で受けられる状態のことを指しています。この目標を達成するために、子どもや母子の栄養改善、感染症の予防や治療に取り組む必要があります。セーブ・ザ・チルドレンでは、予防可能な子どもの死亡や栄養不良をなくすために、母親と乳幼児の保健医療ケアや栄養改善など、健やかに子どもが育つための支援を行っています。 セーブ・ザ・チルドレンは、基本的な医療サービスの提供に力を入れています。これには、予防接種キャンペーンなどが含まれます。特に、麻疹やポリオなどの予防接種を通じて、子どもたちの命を守ることに重点を置いています。また、妊婦や新生児の健康を支えるために、産前・産後ケアの提供や、出産時の医療支援を行っています。例えば、子どもの慢性栄養不良を改善するには、母親の健康、新生児期から乳幼児期にかけて母乳育児を進めること、適切な時期に補完食(離乳食)を子どもに食べさせることなどが重要です。しかし、国や地域によっては、人々が保健や栄養に関する知識を持たない状況で、早い時期に母乳育児をやめたり、補完食を開始したりする家庭が多くみられます。また、適切な情報やサポートを提供する保健医療施設からのサービスが不足していたり、施設の職員と村で活動するボランティアも栄養改善に必要な知識を持っていないことがあります。このような現状に対して、セーブ・ザ・チルドレンの取り組みでは、保健医療施設の職員や、村で活動する保健ボランティアの人たちに対し、栄養に関する研修や、村の保健医療施設での栄養に関する相談窓口の開設を行っています。 UHC達成おいて特に重要なことは、子どもたちを含む最も脆弱な立場にある人たちに焦点を当てることです。保健ボランティアや、地域保健ワーカーは、こうした人たちと接する機会が多く、公平な保健医療・栄養サービスを届けるうえで不可欠な役割を果たしています。地域の保健医療従事者をサポートすることは、子どもを含むすべての人の健康への権利実現に近づけることにつながります。また、こうした支援が持続可能な形で行われるよう、資金面でのサポートが必要不可欠です。セーブ・ザ・チルドレンは日本政府に対して、予防接種の普及(ワクチン接種の拡大)や、三大感染症(HIV・エイズ、結核、マラリア)の予防に取り組む国際機関への支援を増やすように働きかけています。