お知らせ NEWS

  • Home
  • お知らせ
  • 12月3日は「国際障害者デー」障害に対する考え方の変化と子どもの権利

2025.11.26

12月3日は「国際障害者デー」障害に対する考え方の変化と子どもの権利

ニュース

いま、世界では約13億人が何かしらの障害とともに暮らしています[1]。これは世界の総人口の約16%に当たります。

日本国内でも、2025年の「障害者白書」によると1,152万8,000人、日本の人口の約9.3%が障害者とされています[2]。この中には、身体・知的・精神の側面で複数の障害のある人たちも含まれている一方、診断がついていないためにこの数に含まれていない人たちもいます。

 

世界では6人に1人、日本では10人に1人近くが障害者であると聞いて、皆さんはどのように受けとめたでしょうか。「思ったよりも多い」あるいは「少ない」。そう感じたのはなぜでしょう。

障害に対する考え方の変化

従来の障害の考え方(医学モデル)

一昔前までは、「障害はその人の中にある問題」だと考えられていました。

例えば、車いすを使う人は「体が不自由だから困っている」として、困っている原因はその人個人の問題(体や能力など)なのだから、まず本人が改善したり、社会になじむ努力をすることなどが解決方法の中心だと考えられてきました。

いまの考え方(国際生活機能分類:ICF)

障害を個人の問題だととらえる従来の考え方に対して、最近は障害をもっと広く、社会の側の課題としてとらえる考え方が広がってきています。

これは、心身の機能に障害がある時に、社会に生活や参加を阻む壁(バリア)があることで障害が生じるという考え方です。そのため、環境を変えることで課題を解決しようとします。

例えば、同じ体の状態でも、社会の環境が整っていれば困りごとは少なくなります。

具体的には、

  • 学校や職場にバリアフリーの設備(段差のない通路やスロープ、手すりなど)や、意見を言いやすい工夫があると、障害がある人も行きやすくなります。
  • 音声だけでなく、手話や、文字起こしをしてくれるデジタルツールを導入すれば、障害のある人が一緒に授業を受けられる環境や、発言する機会が保障されるなど、さまざまな活動への参加の可能性が広がります。

 

このような考え方は、2002年に世界保健機関(WHO)が採択した「国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health:ICF)」の考え方に基づいています[3]。

ここで大事なのは、「障害=その人だけの問題」ではなく、「社会の側が変わることで、解決される課題もある」、ということです。

子どもの権利との関係

「子どもの権利条約」では、すべての子どもの差別されない権利(第2条)や意見を聴かれる権利(第12条)と並び、障害のある子どもの権利(第23条)も明確に規定しています。


国連・子どもの権利委員会は、障害のある子どもの権利がちゃんと守られるよう、障害者権利委員会と共同で声明を発表したり、障害のある子どもへの適切な情報提供や意見を聴かれる機会の確保に努めています[4]。

子どもの権利条約第23条:身体や障害にかかわらず、社会に参加し、教育や医療サービス、仕事などの機会を得る権利があります

日本ではどんな議論がされているの?

日本国内では、2025年12月現在の臨時国会[注]で、障害のある子どもが対象となる「特別支援教育就学奨励費」について、その対象者や所得制限などについても話し合われます。

こうした日常生活・教育・社会参加に直結するような課題を議論するとき、障害のある子どもや保護者、周りの支える人たちなど、当事者の声が活かされることがとても重要です。

 

[注] 臨時国会とは、通常国会・特別国会以外に、必要な時にだけ開かれる国会のことです。日本国憲法の第53条で、臨時国会は内閣(総理大臣と国務大臣たち)が必要だと判断したときに開かれます。また、衆議院と参議院のどちらかの議院で、総議員の4分の1以上が要求すれば開かれます。

 

セーブ・ザ・チルドレンでも、国内外の現場において、誰ひとり取り残さずみんなが活動に参加できるよう、自分たちの活動のあり方や組織の運営をより良いものに変化させていくことを目指しています。

 

アドボカシー部社会啓発チーム

 


[1] WHO ”Global report on health equity for persons with disabilities”. 2022.
[2] 内閣府 「令和7年版 障害者白書 (全体版)」
[3] WHO “International Classification of Functioning, Disability and Health”
[4] 国連 “Statement by the Committee on the Rights of Persons with Disabilities.” March 18, 2022.

この記事はいかがでしたか?

一覧へ戻る