2025.09.09 【開催報告】「紛争下の教育」を考えるオンライン対談を実施しました! | 学校保護宣言キャンペーン ニュース 登壇者の国連広報センター所長の根本かおるさん、俳優・タレントのサヘル・ローズさん、セーブ・ザ・チルドレン アドボカシー部長の堀江由美子(モデレーター)、そしてセーブ・ザ・チルドレンのユースメンバーたち 8月27日に俳優・タレントのサヘル・ローズさんと国連広報センター所長の根本かおるさんをゲストに迎え、「紛争下の教育」について考えるオンライン対談を行いました。サヘル・ローズさんは舞台や映画で活躍されているほか、難民キャンプを度々訪れるなど、紛争下の子どもたちに寄り添った活動を続けています。根本さんはさまざまな国連機関において、紛争の影響下にある人々の支援に長年携わっています。今回、お二人は今年4月から実施している「学校保護宣言キャンペーン」を踏まえ、「紛争下の教育」に対するそれぞれの想いを語ってくれました。 イベントでは、まずセーブ・ザ・チルドレンの堀江由美子から「学校保護宣言」について紹介しました。今、世界では36ヶ国で61もの国家間の紛争が起きており、学校や大学が攻撃されたり、軍事的に使われたりすることが増えています。こうした「教育への攻撃」から子どもたちを守るために作られたのが「学校保護宣言」という国際的なルールです。 根本さんは、国際法を守らない国があることに危機感を示し、ルールに力を持たせることが大事だと語りました。また「Edu-cide(エデュサイド)」[注]という言葉を紹介し、教育施設を攻撃することは未来を奪うことにつながると強く訴えました。 [注] 「Edu-cide(エデュサイド)」はEducation(教育)とGenocide(特定の民族・宗教・人種などの一部または全部を意図的に破壊しようとする行為)を組み合わせた言葉で、学校や教育を狙って大規模に破壊する行為のことを指します。 サヘルさんは、自身がイラン・イラク戦争のさなかに孤児となった体験を話し、養母のおかげで学校に行かせてもらったことが心の支えになったと語りました。学校に通うことは「こころに憎しみの種を植え付けさせない」役割があると語り、学校はただ勉強するだけでなく、人と人が繋がる大切な場所であると強調しました。 ユースの質問に答えるサヘルさん。対談中には、自身が手掛けた絵本『DEAR』を読み上げる場面もありました。 イベントの最後には、現在「学校保護宣言キャンペーン」のユースメンバーとして活動している大学生・大学院生が参加者を代表して質問しました。 「市民や学生にできることは?」という質問に対しては、まずは知ること、周りに伝えること、そして自分の中にある「モヤモヤ」を大切にすることが大事だと答えがありました。 また「活動をして感じたこと」について、根本さんはノーベル平和賞を受賞した日本被団協[注]の長年の活動を例に出し、想いを持って活動を続けることが社会の変化につながると語りました。サヘルさんは「微力でも無力ではない」と言い、小さなことから行動を始める大切さを伝えました。 [注]正式には日本原水爆被害者団体協議会。広島・長崎で原爆の被害を受けた被爆者の全国的な組織で、長年にわたって核兵器の廃絶を訴えたことが評価されて2024年10月にノーベル平和賞を受賞しました。 イベントには220人以上の方から申し込みがあり、多くの方々に関心を持って参加いただきました。 参加したユースからは、 「貧しい地域に住む子どもたちが夢を語る時、『大人になったら』ではなく、『大人になれたら』と言うという話を伺った際は、非常に胸が締め付けられるような思いでした。このような子どもたちが1人でも減り、自分の夢を明るく語れるような社会であってほしいと思いました」 「今回の対談を聞いて、改めて教育は、生きる希望を持つための大切な手段だと思いました。知識を身につけることはもちろん、自分には未来があるという確信を持たせてくれるものだと思います。子どもたちの学ぶ場を守る学校保護宣言の重要性を改めて理解することができました。」 「教育があることで子どもたちが復讐へ走ることを防げること、学校は子どもたちのこころの拠り所であること、それらを念頭に置いて、(署名キャンペーンで)10万筆獲得*を目指していきたいです」 という声が寄せられました。 日本による「学校保護宣言」への賛同を求める署名はこちらから サヘル・ローズさん、根本かおるさんのメッセージにあるように、小さなアクションを続けていくことで、「学校保護宣言」に賛同する意義を広く伝え、日本政府による賛同に一歩ずつつなげたいと考えています。これからも署名やSNSでのシェアなど、皆さんのご協力をよろしくお願いします! 「学校保護宣言」についてもっと理解を深めたい方は、9月9日(火)15:00-16:30のイベントにもぜひご参加ください↓ 「学校保護宣言」策定から10年 日本政府による賛同に向けて -教育を攻撃から守る世界のグッドプラクティスから考える-お申し込みはこちら:https://scj-kkw2025.peatix.com セーブ・ザ・チルドレンの「学校保護宣言」ユースメンバーの皆さんと