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2024.10.10

【Vol.1 保健・栄養】 健康への権利とは?-すべての子どもたちの基本的人権として-

保健・栄養

「健康への権利」

健康はすべての人の基本的人権で、社会活動や経済活動の土台となるものです。1948年に発効された「世界保健機関(WHO)憲章」で、健康とは、単に病気や不調がないことではなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態にあることと定義されています [1]

世界中すべての人は、「健康への権利」を持っています。1966年に採択された「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」の第12条では、すべての人が病気の場合に必要な医療や看護を受けられるようにすることが約束されました[2]

1978年には、「プライマリ・ヘルスケア(PHC)に関する国際会議 」が開催されました。この会議で採択された「アルマ・アタ宣言」では、「すべての人々に健康を」をスローガンに、健康を基本的人権とし、地域の人々の参加と自らの決定によって人々のニーズを平等に解決することを目指すプライマリ・ヘルスケアの考え方が明確にされました[3]

子どもの権利と健康

1989年に採択された「子どもの権利条約」[4]の中 ​でも、健康への権利はしっかりと規定されています。ここでは、特に関係の深い第6条と第24条について説明します。

第6条 生命・生存・発達への権利

第6条では、すべての子どもが生きる権利・育つ権利、命を大切にされる権利を持っていることを認めています。締約国は、それを守るために最大限努めなければなりません。

第24条 保健医療サービスを受ける権利

第24条では、子どもたちがいつでも健康でいるために、必要な保健・医療サービスを受けられることが約束されています。子どもたちが十分に栄養のある食事をとり、清潔な水を飲めるようにすることや、母親が出産の時に保健・医療サービスを受けられるようにすることが求められています。
また、子どもの親や子ども自身が、子どもたちの健康を守る知識を身に着けるため、教育の機会を提供することや、子どもの健康を害するような習慣をなくすことも、約束されています。特にこうした支援を必要とする開発途上国のために、国際協力を推進することも求められています。

このように、すべての子どもたちの健康は権利として約束されています。必要な時に差別や偏見なく、保健・医療、栄養サービスを受けることができる機会は、誰もが決して奪われてはなりません。そして健康は、他のすべての権利の根幹にあるものです。どこにいても、子どもを含むすべての人の健康への権利を国が保障し、実現することの重要性を、セーブ・ザ・チルドレンは世界各国で訴え続けています。

イラスト付き子どもの権利条約 条文一覧 (savechildren.or.jp) も見てみよう!

プライマリ・ヘルスケアとは:

プライマリ・ヘルスケア(PHC)は、すべての人が健康でいるために、一生を通して、病気を予防、治療し、健康を向上させるためのサービスが提供されることを目指しています。一人ひとりが自分の健康を管理し、ニーズや希望に合わせたサービスを平等に受けること、また地域の人々が参加・協力し、健康に関する問題を一緒に解決することを目的としています。

「アルマ・アタ宣言」とは:

1978年に開催された、「プライマリ・ヘルスケア(PHC)に関する国際会議 」で採択された宣言。「アルマ・アタ宣言」では、「すべての人々に健康を」をスローガンに、健康を基本的人権とし、地域の人々の参加と自らの決定によって人々のニーズを平等に解決することを目指すプライマリ・ヘルスケアの考え方が明確にされました。


[1] couv arabe.indd (who.int)
[2] 経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約) (mofa.go.jp)
[3] アルマ・アタ宣言 | 公益社団法人 日本WHO協会 (japan-who.or.jp)
[4] 「児童の権利に関する条約」全文 (mofa.go.jp)

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